Web版によせて

同人誌版『王都解体新書』表紙

『王都解体新書』の前身である
『「王都」考察集』('95 10/29発行)
『「王都」考察集・弐』('96 3/23発行)
を 作成していた当時、筆者は高校1年生でした。
理数科に所属していてロクすっぽ漢文が読めない身でも『延喜式』や『尊卑分脈』に当たるのを苦としませんでした。

気合いは時として実力を超えるという好例です(笑)。

同人誌というのは基本的に「自分のため」に作るものだと私は思っていますが、『考察集』『解体新書』は本当に、誰よりも「作成した本人」が一番楽しんでいた同人誌。装丁も唐綴じ風にしたりして無駄に気合いが入っています(笑)。

1995年前後、(株)光栄が『爆笑三国志』という、三国志をお笑いで学ぶ本を出していました。
(その後、各国の神話シリーズも出ました)
『考察集』『解体新書』はロコツにその『爆笑三国志』のノリを意識しています。
「邪推は続くよどこまでも」の文体なんか「光栄さんごめんなさい」な勢いで。
後には『空想科学読本』テイストも混じっています。

つまり、『王都解体新書』は『王都』の資料テキストでも解説テキストでもなく、お笑いなのです
知識ではなく笑いを狙っているんです。
そういうわけで、読んで笑って頂けたら「outo.notserious.info(王都-不真面目-情報)」管理人冥利につきます。

笑った、と言えば『考察集』のその壱を出した当時はまだ将之氏のキャラ設定が公表される前でした。
当然ながら「まずは人を知れ」の彼の項は全て推測形。趣味に関しては「武技(推測)、女装(…嘘)」と書いておりました。
後日、公式設定が出た時は大爆笑。そりゃ他に考えようがない(笑)んですから当たって当然ですが、血液型もヒットしていたもので「これで私は将之ファンを堂々と名乗れる!」とガッツポーズ(苦笑)。
私は最終的に3冊全てについて自首していましたので()「まさかまさか、ネタにしてもらえたのかも〜♪」とか妄想もしてしまいましたが(苦笑)。

当時の『王都』同人業界には「王都本を出した事を岩崎先生に隠し通す事は不可能」という言説がありました。そのため「いつかバレるならいっそ自分から‥‥」と自首(岩崎先生ご本人に本をお送りすること)していた描き手さんは割と多かったようです。


とにかく、思い入れのある一冊です。
でも、Web版に終わりはないのだ。


岩崎先生、ごめんなさい。


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