五行の基礎勉強

『王都』ファンにある意味で喧嘩を売っているような気もするが、一応知らない人もいると思うので陰陽五行道の基本概念を書いておこうと思う。いつも将之に読者代理で聞いてもらうわけにも【その弐拾四「狂風」】…ね。

古代中国において、この世は全て陰と陽で成り立っているという考えと、木・火・土・金・水の五つから成り立っているという考えが存した。
前者は陰陽道、後者は五行道と呼ばれ、後に両者は組み合わさり陰陽五行道として一つに考えられるようになる。

さて、まずは陰陽である。世界が陰と陽から成り立つとはどういう事か。
要するに明暗・天地・表裏・男女・上下…など、それぞれ対となる物から世界ができているという事である(らしい)。
又、「陰極まりて陽が生じ、陽極まりて陰が生ず」【その弐拾「幾億の月光】というように、陰と陽は互いに消長を繰り返し新たな発展を生む。
一般に能動的な物、動的な物を「陽」とし、受動的な物、静的な物を「陰」とするのだが陰陽は相対的な物であり、例えば昼間の蝋燭の火は「陰」だが夜のそれは「陽」である。陰陽の均衡を保つのが陰陽師の仕事である。

次に五行について述べよう。「水は土地を潤して穀物を養い、川となり低い所へと流れ、火は上に燃え上がり、木は曲った物も真直ぐな物もあり、金は自在に形を変えて刀や鍬となり、土は種を実らせる」というのが基本概念である(らしい)。

『王都』を読む上で知っておくと楽しめるが「相生・相剋」である。

▲五行相生…「木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ず」という関係。

▲五行相剋…「水は火に勝ち、火は金に勝ち、金は木に勝ち、木は土に勝ち、土は水に勝つ」という関係。

なお、この五行の考えは漢方薬の分野で現役の模様。

安倍晴明公が作ったといわれる晴明桔梗印(晴明神社名物の五芳星)はこの相生・相剋の関係を図案化した物といわれる。四国ではよく家紋になっているそうな。ただのお星様マークと思うなかれ。

陰陽配当表
臣下
五行配当表
備考
五色
五方中央西
五季土用土用とは各季節の境目の18日間
五気
五星歳星螢惑星鎮星太白星辰星左から木星・火星・土星・金星・水星
五味鹹とは塩辛いの意
五神青龍朱雀黄龍白虎玄武黄龍を勾騰とする説もある
五霊麒麟鳳凰
五金青鉛赤銅黄金白銀黒鉄金・銀・銅・鉄・錫(鉛)とする説もある
五虫鱗虫羽虫裸虫毛虫介虫裸虫=羽毛のない動物、介虫=殻のある動物
五欲財欲色欲食欲名誉欲睡眠欲拾遺「華炎」参照
五悪殺生偸盗邪淫妄語飲酒同上
五臭肉臭・焦臭・芳香・魚臭・腐臭。その拾六「星の宿」参照

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