周知の通り、1995年〜2000年頃は安倍晴明ブームといっていい状況だった。
筆者の知る限りでも小説4本、コミック5本、TV番組2本が安倍晴明又はその子孫を主人公にすえており、『週刊安倍晴明』だのコミックアンソロジーだの占いだのも氾濫し、偉人伝はいくら出ているか判らない。
ついには『王都』もTVドラマ化されたが、安倍晴明ブームが収束しつつあった2002年07/02スタートというのは流行に敏感なフジTVらしからぬ事でした。
で、今回の安倍晴明ブームの火付け役と言っても良いのが夢枕獏氏の小説『陰陽師』、および岡野玲子氏によるそのコミック化であろうと思われるのだが、その『陰陽師』の方で夢枕氏と岡野氏との対談があった。
王都ファンが見ると「えっ!?」という部分があったのでウロ覚えながらここに記してみる。
岡野: 最近、晴明神社に行くと絵馬があるんですよ。
で、見ると「晴明様v」!!ピカっとハートマーク。
「どうか晴明様v 陰陽五行の理で世界に平和を!」とか書かれてる。夢枕: へぇ〜。それって俺たちのせいというか…? 岡野: 同姓同名のロン毛の晴明ですよ。
【『コミックバーズ』'96 10月号】
…言わずもがな。
誰だよ、晴明神社でそんな事をしたのは!?(汗)
他に、某サークルの話では京都・嵯峨野の晴明公墓所における御参りの人達のマナーが悪い時があるらしい。晴明公墓所というのは住宅街の中にあるというのに若い娘さんたちがかしましいとか、花はともかく同人誌を供えていく人がいたとか…。
別に参拝するのは悪くないと思う。
ただ問題は「『史実の安倍晴明』と『伝説の安倍晴明』と『王都の晴明サマ』は同一人物ではない」事。
ついはしゃいでしまうファン心理は理解を得ない事も多く、一部のファンの奇行のために『王都』ファン(「安倍晴明」ファン、京極堂ファン、etc.)全てが偏見で見られたら悲しい事です。私自身も含めて、気を付けたいです。
もっとも、参拝者の急増に伴って販売グッズを充実・拡大した晴明神社もたくましいと思いますが(笑)。
とりあえず今の所、晴明神社での「将之」とか「影連」とかいった文字の報告例は聞いていない。
関係ないが某コミック情報誌(廃刊になったのだろうか…『ぷりしー』とかいったハズ)で『王都』と『陰陽師』の晴明が比較されていて、『王都』の晴明が
自分の運命や持て余す能力に思い悩む、シリアスだが熱血な所がある人間らしい性格。
相棒・藤原将之と共に妖魔たちと死闘を繰り広げる。
とか書かれていた。…熱血…将之と夕日指さして泣くのかね(笑)。
雑誌に書かれている事をまとめると何が何だかさっぱり分からん性格になるぞ、晴明サマ……(--;)。
(冷淡なのに情熱的な熱血漢で厭世的で心優しくて意地悪でシリアスだが実はギャグメーカーで…あと何だっけ)
岩崎先生によると「建設的にひねくれている」そうです(笑)。